「流血」読みました。
■投稿日時:2001年12月11日
■書き手:生首

口述筆記の失敗だの何だのの意見もありますが、予想以上にしっかりした本だったので驚きました。少なくともこの本は「プロレスをおもしろく」「プロレスを良く」したいという論旨で一貫しており、ネタバラシが単なる露悪趣味でないことは明らかです。
インサイダー中のインサイダー(ブッカーだったと自分で言ってる)が初めて明らかにしたその内幕は、どれもこれもリアリティあふれることばかりで、アリ戦、ウィリー戦、ルスカはじめ格闘技戦等、リアルタイムで見てきたことの一部始終のミッシングリンクがすべてつながった、爽快感と安心感を覚えました。子供心に「?」と思っていたことは、少なくともすべてこの本に書かれており、近来にない好著と思います。

これまでのプロレス本とは「エンターテインメント」の追究という視野の違いから、全く一線を画すもので、講談社もプロモーション上その点を区別しないと、ただのバクロ本扱いになり、せっかくの好著を埋没させかねないと危惧します。読み手にもそれなりの理解度とビジネスセンスを要求するので、誰が読んでも楽しめるものではないかもしれません。しかし逆に「理解力」「ビジネスセンス」がある人なら、プロレスファンでなくとも読める、面白い本だとも思います。

書の中で逐次出てくる猪木の人間性とエンターテイナー性の振り子ぶりが、生まれた時からの反猪木主義の私を初めて猪木に親近感を持たせた功績は大だと思います。この本を読んで初めて猪木のことが好きになりました。ゴッチの「最強伝説」そのものがフェイクだったことなど、本当に目からウロコでございました。国際軍団の会話、おもしろく読ませていただきました。ここで登場する話はすべてプロレスを見ている一般人が「?」と思う不整合をならし、エンターテインメントとしての完成度を高める「プロ」になれという主張で一貫しており、きわめて筋の通ったものです。
私はこの本を教科書に採用して欲しいと思います。





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