超・週刊プロレス 第二十二号「師弟対談二者二様 その2〜PRIDE17総括〜 中編」
■日時:2001年11月12日
■書き手:愚傾(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

愚: 「こんどは第五試合ですね。マリオ・スペーヒー対貧乏。」
品: 「北の最終兵器を 貧乏 の一言で片付けるなよ(笑) まぁなんだ。これは技術的に素晴らしい試合だったな。」
愚: 「まずボブチャンチンをテイクダウンさせるっていうのがスゴイっすよね、マリオ。」
品: 「まぁ作戦勝ちっていう部分もあるよな。ボブチャンチンの打撃を防ぐためには、しょっぱなから、タックルに入るしかないというかな。」
愚: 「ヘタに距離を取られて打撃のラッシュを喰らうよりも、距離をゼロにして密着し、組み付いたほうがいいと。」
品: 「インサイドガードからパスするまでのスピードっていうのは素晴らしかったな。あともう一つだけ言うと、足の抜き方っていうのが素晴らしい。」
愚: 「ほうほう」
品: 「あの片足を抜いて、肩固めに入るまでの一連の足の切り方っていうのは、柔術家とかコンバットレスリングのような組技系の選手には、おおいに参考になったと思うぞ。」
愚: 「これからブラジリアン・トップ・チームは『来る』んですかね?」
品: 「あそこのマネージメントは内田さんだからな。」
愚: 「かつて『リングスの馬場元子』と呼ばれたあの人ですね(笑)」
品: 「それと、闘いの場をUFCよりも日本に置いたというのがね、金銭的にも正解だと思うし、メジャーにもなりやすいんじゃないかな。確かにあそこは闘い方が寝技だけじゃなくて、打撃を取り入れたりとかな。柔軟な方針だし、それに上手いと思うよ。でもいまのUFCは本当にレベルが高いからな。」
愚: 「ムリーロ・ブスタマンチもチャック・リデルに負けましたもんね。」
品: 「さらにその上にティト・オーティスみたいな化け物もいるわけだよ。その輪に、例えばヒカルド・アローナとかが飛び込んでいって、それですぐ勝てるかっていったら難しい部分はあるよな。勝てるかもしれないけど、日本のほうが安全パイだとは思う。」
愚: 「マジメに語っちゃいましたね。」
品: 「そうだなぁ。マリオのことはネタにしにくいよ。強いていえば顔がオカマみたいだっていうのくらいだもん。」
   
愚: 「ここで休憩ですか。恒例の猪木登場ですね。」
品: 「さすがになぁ。私も猪木で育った人間だからあまりこういうことは言いたくないんだけど、今回の銭金に絡んだ話はヒドイな(笑)」
愚: 「ついにPRIDEのリングにも金銭闘争を持ち込みましたか。」
品: 「まずパラオの大統領を呼んだだろ? 珊瑚の養殖かなんか始めるらしいけどな、だいたい珊瑚が出来るときには猪木は死んでるぞ?」
愚: 「すぐ出来ないっすよね、珊瑚(笑)」
品: 「平成のアントンハイセルだよ。で、次に清原をリングに上げたろ? まぁあれはケビン山崎が糸居重里の白金の事務所に下に新しくスポーツジムを作ったんだが……」
愚: 「ほうほう。」
品: 「そこのスポンサーがパチンコ屋なんだよな(笑) XX商事っていうとこだ。」
愚: 「ガッハッハ。やっぱり健康は金で買うもんなんですねぇ。」
品: 「で、清原をビンタしてな。そこからケビンさんを介してパチンコ屋にもなんとかアレしてもらおうと勘ぐってるんだろうな?。猪木ならそのくらいは平気でやるだろ。」
愚: 「我々ライオンズファンとしてはコメントしずらいですね。で、石井館長とサム・グレコが登場ですか。」
品: 「うむ。グレコもプロレスやりたそうだしな。いいんじゃないか? 顔がプロレス向きだよ。」
愚: 「K−1戦士の再就職先というか、斡旋できるようになればいいですよね。グレコがその第一歩となれば。」
品: 「でな、これは後で触れるミルコ・クロコップにも絡んでくるんだけども、ちゃんと打撃ができる選手が、ある程度タックルにも対応できるようになったら、これは意外と強いんじゃないかぁ?という気はするな。」
愚: 「その姿を佐竹に見せて欲しいんですけどね。」
品: 「で、まぁさっき言った銭金の話なんだけど、年末の猪木祭りの宣伝ばっかりなんだよな。今回の猪木は。ちょっとやりすぎだと思ったよ。」
愚: 「手前なんかむしろ猪木らしいと思いますけどね。ていうか猪木に発言力を与えたら、そうならないほうがおかしいですって。」
品: 「まぁな。で、年末おおみそかに猪木祭をやって、開けて一月四日に恒例の東京ドーム大会があるよな。去年は大阪だったから客もかぶらなかったけど、今年は埼玉だからな。思いっきりかぶるわけだよ。」
愚: 「ある意味興行戦争ですよね。」
品: 「31日に出費したら正月にチケットなんか誰も買わないぞ? 銀行も開いてないし。」
愚: 「前売り買えばいいじゃないすか(笑) まぁそれはともかく、客層はかぶるし、双方ともに痛手は被りますよね。特に新日ドーム。」
品: 「石川雄規も自分の作った会社を不本意ながら潰したけど、さすがは猪木だな。自分の作った会社をマジに潰そうとしてる(笑)」
愚: 「前回の我々の対談は甘かったですよね。猪木は石川とは比べ物にならないほど自分勝手だったことが、またしても証明されたというか。」
品: 「テレ朝まで潰そうとしてるからな(笑)」
愚: 「TBSから視線を向けられた途端にコレですからね。凄いですよやっぱり。」
品: 「思うんだが、TBSのスポーツ部っていうのは大丈夫なのかぁ? プロレスとか格闘技の中継をちゃんと出来るのかね。」
愚: 「Uインターくらいしか実績ないですもんね。」
品: 「 『筋肉番付』 の絡みで古館伊知郎を起用できれば面白いと思うけどな。そうじゃなくて、例えば 松下賢二 が猪木に対抗して ダジャレ を言い出したら個人的には笑えるけど、さすがにそれはちょっとマズいだろう。」
愚: 「バックステージの模様は『おっかけマン』の松宮さんが担当したりとか(笑)」
品: 「『決め技はチョークでした』とかな(笑) ネック・ハンギング・ツリー や のど輪落し なんて出たら編成局は引っくり返るぞ?」
愚: 「フジTVも菊間アナの事件があって以来、全女の中継でも『ダイビングセントーン』とかの技名を禁止したとか(笑)」
品: 「パワーボムを『ドスンと前に落としました』と表現する志生野さんじゃないと務まらないらしいぞ。まぁそんなヨタ話はいいとして、どうなるのかねぇ。猪木とTBSは。」
愚: 「まぁ、日テレとNOAHの関係みたいなもんなんじゃないすかね。数字が取れるんならウチで放映させてもらいますよ、みたいなビジネスライクな関係っていうか。手前としては猪木祭が成功したとしたら。それを考えるとけっこう怖いなぁ。」
品: 「まず客入りと視聴率っていう部分では成功するだろ。石井館長が猛烈にフォローするはずだよ。」
愚: 「でしょうねぇ。そうなると、また猪木が発言力を持つわけじゃないすか。そうなると、いまの新日本との関係みたいに、DSEに対して利権を絡めてきたりしかねないですよ。手前はそれが怖いですね。」
品: 「DSEに対してはそこまで強気に出れないと思うけどな。新日本は猪木の言うこと聞かなきゃならない理由があるわけだろ。筆頭株主の佐川会長の委任状を持ってる限りは、やっぱり発言力は一番デカいわけだし。」
愚: 「そもそも創設者ですしね。」
品: 「まぁとにかく、今回の猪木パフォーマンスはダラダラとつまんない話ばっかだった上に、クソ長かったんだよ。それも含めて、私はちょっと『NO』だな。」
愚: 「一般の観客的にはどうだったんですか? 普段通りに受け入れられてたんですかね?」
品: 「確かに清原をブン殴ったところが物凄く盛り上がった部分ではあるし、石井館長も絡んできたから話題性という面ではやっぱり飛びぬけてるよな。それに猪木タイムっていうのも、回を重ねてすでに恒例行事となってるんだよな。だから、客の間にも『猪木なら何をやってもOK』という空気が出来上がってる。猪木を知らない世代が『伝説の人』である『おもろいオッサン』に拍手を送ってる、という感じだな。」
愚: 「そうでしょうね。たぶん、今回は観てないですけど手前も含めて、殆どの観客が猪木の全盛時を知らない世代でしょう。」
品: 「私はそれで良いと思うけどな。マニア相手にせせこましくやるよりも、そっちのほうが健康的だよ。」
   
   
愚: 「そいじゃ、長くなってきたので我らがノブ総裁vsミルコ。」
品: 「うむ。これはまぁ、PRIDEを作ったのは私は高田で間違いないんだよな。高田vsヒクソンから始まってるわけだし。そもそもDSEの前のKRSっていうのだって高田のタニマチが作ったものだからな多分。簡単に言えば。」
愚: 「そうですね。」
品: 「で、今回の試合は『高田だったら何をやっても許されるのか?』というか、まぁ猪木vsアリのような戦い方をしたわけだよな。それについては『ミルコの化けの皮を剥がすための戦法』だとか、『自分が作ったPRIDEに侵食してきた猪木への当て付け』だとか、いろいろな憶測がある一方、やっぱり非難の声っていうのは集中してるんだけど、やっぱり入場のときの声援っていうのは後から出てきた桜庭にだって勝るとも劣らないというか、そのくらいのボルテージがあったんだよな。」
愚: 「そうすると、我々みたいに良くも悪くも『マニア』になった人間と、高田に対して声援を送っている一般的な観客っていうのは温度差がありますね。」
品: 「K−1にしてもそうだけど、やっぱり我々のようなマニアが見なくなったときに初めて本格的にブレイクするという可能性だってあるわけだよ。だから、我々マニアの間で良い評判が出にくい…まぁ私はずっと支持してるけど、高田があれだけの声援を集めてるということは、言ってみればK−1のようなブレイクも、もう間近っていうことかもしれん。」
愚: 「ようするに我々のような『はじめてノブがシュートで勝てるチャンスか?』とか、そういう物の見方よりも『藤田の敵を打ってくれ!>高田』みたいな、そういうののほうが勝ってるわけですよね。それはそれで素晴らしいことだと思いますけど。」
品: 「で、そういう期待を背負ってたにも関わらず怪我をしたわけだよな。」
愚: 「ノブってよくドームで怪我しますよね(笑) 武藤とやったときとか、ホイス戦とか。」
品: 「まぁ私個人の感想というか、一高田ファンとして、今回の高田の戦い方は評価できないな。やっぱり。」
愚: 「ふむ。」
品: 「ただ、ブン殴られて負けろ!っていうのもどうかと思うんだよな。まぁ『高田は顔が命』っていうのもあるんだが(笑) それにしても、なんか他にやりかたがあったんじゃないの?とは正直思うな。」
愚: 「なにも石川ほど見事な玉砕じゃなくてもいいから、もっとこう、なんかあるだろう?と。」
品: 「インタビュー会見でもミルコが言ってたよな。『彼は何しに来たんだ?』『フジタの敵を討つんじゃなかったのか?』とかな。まぁ私は、PRIDEを作ったのは高田なんだから若干は多目に見てやろうというのは、半分くらいあるんだが。」
愚: 「で、高田は『お客さんが望むなら、またPRIDEに出たい』っていうようなコメントを出してますよね。性懲りも無く(笑)」
品: 「ブーイングされまくってたのにな(笑) やっぱり、私も今回、はじめて高田に対して『許すべきか? 許さざるべきか?』っていうジレンマを抱えたな。」
愚: 「あ、そういえば、この試合の前にやってたエリクソンvsスケルトンの話、し忘れてません?」
品: 「別にいいよあんなもん。話すネタにもならんし。」
(後編へ続く)




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