対抗戦はグラバカ圧勝!年間最高シュート興行は興奮の連続で大満足
■投稿日時:2001年11月1日
■書き手:アミューザー系オールスターズ

10/30 パンクラス後楽園大会
〜対抗戦はグラバカの圧勝、そして年間最高シュート興行は興奮の連続で大満足

by アミューザー系オールスターズ
 世間一般の総合格闘技への注目度は、週末に東京ドームで開催されるプライド17に集中している。しかしUFC以下、海外のビデオを含めてすべての格闘技興行を見ているマニア層にとっては、この後楽園ホール大会が試合の質からお客様の感動と満足度に至るまで、ベストの興奮を運んでくれたようだ。一試合目から最後まで刺激と緊張は持続したし、つまらない試合は一つもなかった。客席の熱気が膠着した試合を許さなかったし、実際判定決着よりも鮮やかな一本勝ちがファンをすっきりさせてくれた。ライブに参加する楽しみは、もちろん自分達の声援が実際に勝敗にまで影響を与える点につきるのだ。

 8周年を迎えたシュート革命の先駆者パンクラスは、菊田早苗率いるGRABAKAチームとの抗争をカードの中心軸に据えたことで、急速に人気を回復している。今回の「5対5」の対抗戦は、パンクラスの横浜と東京道場の連合軍が、新宿スポーツ・センターを拠点とするGRABAKAチームを迎え撃つ格好。もっとも大きな図式では、これは“自称プロレスラー軍”対“非プロレスラー集団”のイデオロギー闘争であることに気づかれるであろう。
 日本の総合格闘技の歴史は、UWFプロレスを抜きにしては存在自体が不能に陥ってしまう。未だにプロレスと格闘技を一緒のものとして扱う傾向の奥には、アントニオ猪木の異種格闘技戦から始まる暗黒史の検証なしには語り尽くせない。もちろん、こういった過去の負の遺産としては、柔道のメダリストたちがなかなかプロのリングに足を踏み入れようとしない事実一つをとっても容易に説明できるだろう。「プロ競技に純然たる真剣勝負はありえない」とするなら、93年のK-1、パンクラス、UFCの出現によって始まったシュート革命ですら、一部の純粋主義者からは偏見の目で扱われてきた。しかし、さすがに8年間の実績と信用はもはや無視できない。プロレス臭を感じさせない外部契約のGRABAKAチームのメンツたちが悪役となって、プロレス好きの多い所属選手たちを倒していく構図が、ファンの関心を買って会場を満員にしたのなら、本当の勝者は低迷期を乗り越えたパンクラスということになる。
 実際この大会に先立つ9月30日には、感情を揺さぶりプロレスラー魂を体現する美濃輪育久が、“寝技世界一”の実績も加わった菊田に玉砕したが、横浜文化体育館は満員大盛況だった。さらに重要なのは、負けた美濃輪の評価が高まったことにつきる。もちろん、シュート革命の残酷な真実は「リアルファイトであっても勝った負けたは関係なかった」という、衝撃の結末にたどり着いた大航海の軌跡にある。ちょうど地球を一周したら、戻ってきたのは最初に出航したプロレス大陸であった。この日、3勝1敗1分けで圧勝したGRABAKAチームは最後にマイクを握り、憎々しいまでのヒール演説を披露。もっとも、非プロレス色を売りにするGRABAKAが、最高のプロレスラーに変身するという逆転の構図こそが、終着駅のハイライトであったことは忘れられない。

 ライブで格闘技興行を鑑賞することの楽しみの一つは、あとで放送されるビデオ版に収録しきれなかった選手たちの感情の起伏を、目の前で体感することにある。ネオ・ブラッド・トーナメントに優勝したばかりの三崎和雄(GRABAKA)は、もう試合前の気迫だけで準備万端。わずか8秒でベテランの冨宅飛駈に殴り勝ってしまった。判定決着の多い窪田幸生はこの日、一本勝ちせねばならないとのプレッシャーが特に高かったハズだ。2ラウンドに膝蹴りでGRABAKAの石川栄司にKOできた時の悦びようといったら、その興奮状態が客席にまで伝わるはしゃぎようだった。それでイイのだ。プロなんだから、感情をストレートに表現することでファンを増やしていくのである。パンクラスの“パンク男”こと渡辺大介と佐藤光芳の熱戦は、自分のスコアカードでも引き分けだった。これで休憩前の対抗戦成績は1勝1敗1分け。興行としては理想の雰囲気が構築されたことになる。
 GRABAKAの佐々木有生が、打撃も得意な石井大輔にハイキックとパンチを当てて、フラついたところを寝技に持ち込んで十字固めを決めたカードも名勝負。一瞬のミスが勝敗を分けることになり、手に汗握る攻防をたんのうすることになる。対抗戦の大将戦は、初代ライト・ヘビー級キング・オブ・パンクラスだったKEI山宮と、修斗からGRABAKAに転じてメキメキと頭角を表した郷野聡寛。予想通り寝技に行かずにボクシングで倒そうとする山宮に、立ち技でも互角であることを郷野が見せつける。3ラウンド目に郷野のテイクダウンが決まりだし、バックドロップで投げたのが印象点となって微差の判定勝ち。ここで前出のマイク・アピールがあり、GRABAKA勢が怪気炎をあげた。
 メインは外人王者のネイサン・マーコートによるミドル級ベルトの防衛戦。対戦相手はレスリング出身者の集団RJWの刺客、“野獣パンツ”の星野勇二だ。この試合で関係者が一番恐れたのは判定決着にもつれ込むことだったと思う。実際1、2ラウンドは星野がテイクダウンを決めてるし、GRABAKAでの修行を積んだ外人王者が細かい技術でマニアを納得させていたが、やはり判定での逃げ勝ちになっていたら、この大会が今年最高のシュート興行との評価はなかった。ところが最後のラウンドで、下からの三角締めが星野の首に絡みつき失神。見事に一本勝ちを収めたことで、メインの重責を立派に果たしてくれた。試合内容の充実度の高い興行は、こうして成功裏に幕を閉じたのだ。

 興行が終わればアミューザー系ネットの勇士たちは食事会となるのが恒例だが、この夜は特別ゲストとして近藤有己選手も出席。プライベートなのでオフレコ話は割愛させていただくが、笑っていただく部分は可能な範囲で以下に紹介しておこう。

近藤“飛びヒザ”語録

<本日の失敗談>
セコンドにいてストップウォッチをみて「残り3分」と言ってしまった。慌てて「2分、2分」といい直したが恥ずかしかった。しかしオフ会の参加者から「声が聞こえたのは鈴木と、後方から見ていた北岡の声だけで、何も指示してないじゃないか?」と突っ込まれる。

<彼女募集中!> 
今、本当にいない。選手になってから、自分はいない時期の方が8割くらいで、彼女がいた時期は2割しかない。ちなみに週プロに彼女を殴ったと書かれた件に尾ひれがついて、ネットで未だに言われてるのは残念だ。もうタバコも辞めている。

<P’sラボ東京>
(極悪サイト流に多少の脚色を加えたスポーツ紙用の発言として)仕切っているのは自分である。全体のメニューも考えている。高橋さんは放棄してるし、船木さんはハリウッドなんで自分はやるしかない。注意:実際の近藤さんは謙虚な方で、郷野戦を「俺が相手じゃない? まあ、12月になればわかる」などとサービス精神旺盛な発言はしてません(笑)。

<「火の呼吸」ビデオ宣伝>
あらゆるアスリートにお勧めのヨガのビデオは、この種の作品としては異例の売れ行きを記録中。ベースボールマガジン社から5000円です。

<プロレスファン時代>
ホワイトバタフライの蝶野が好きだった。だから第一回のG1優勝は嬉しかった。ちょうどパンクラスに入った後に、梅木レフェリー以下プロレスファンの選手間でG1予想があり、自分は蝶野の連続優勝を予想して見事に当たった。

<コンディショニング>
今、食生活を変えたせいもあり体調が良い。何しろ疲れなくなった。プロティンも植物系のみに限定。ほとんど使わなくなった。むしろ季節の果物をガンガンと食べている。本物の糖分補給はそこから。ボディービルダーたちが教えるのは筋肉を太くする発想ばかり。自分たちは格闘家なのでまた違うアプローチが必要だと思う。

<98年7月のECWの思い出>
控え室で選手が打ち合わせの真っ最中の現場にいたのがショックだった。あんなのを観たのは初めてだったから強烈に覚えている。田中将斗選手がいた頃で、とても礼儀正しかった。パンクラスの北米版PPVでフランク・シャムロックに勝った試合が紹介されており、自分のことは知られていたのが嬉しかった。貰ったカクタス・ジェックのTシャツを着てガオラの定期中継番組に出たら、その回がアメリカのファンの間でも「あのECWのシャツを着てくれた」と好評だったらしい。UFCから自分にお声がかかるのも、ECWの会場で会った方々の印象点があったからとあとで聞いて驚いた。どこで何が繋がってるかわからないもんだ。

<PCとネット>
買ったばかりでまだ初心者。メモ8先生に教えてもらう予定(らしい)。

<真空飛び膝蹴り>
自分のと沢村忠さんのとは違う(当たり前だ、一同大爆笑)。しかし、沢村キック伝説世代のオジサンたちは近藤選手が幻の秘技を復活させたことが嬉しくてたまらない。國奥戦を近藤のベストバウトにあげる参加者も。

<強豪たち>
ティト・オーティスは確かに強かった。カフェ・ダンテスやマティシェンコなど、一般の知名度がないのにとても強豪というリスクのある闘いに挑む姿を、“にわかっち”が解説。その精神性の高さを賞賛する。「田村挑戦とかは、そのときどきの思いつきで言っただけ。ただし、色々会社間で迷惑がかかることもわかったので自粛したい」の発言に、参加者一同は猛反発(笑)。リングスの話題からロープエスケープ復活の是非までアミューザー系オールスターズの激論は沸騰。もちろん近藤さんは、滑川選手のサムライTVでのボヤキと同じくエスケープは勘弁して欲しい派。

<女子プロレス>
家で観ようとしたら、兄貴が「こんなのはスケベが見るものだ」と見せてくれなかった。だから観たかったのに観られなかった。

<モーニング娘。>
ネット・アイドルの“にわかっち”と近藤さんの間でモーニング娘の誰が良いか論が延々と続く。闘龍門のスケッチには「俺たちは“おにゃん子”世代だから、モーニング娘はわからん」という会話があって爆笑だったが、吉永小百合とか松原千恵子、アグネス・ラムちゃんの水着姿までで時計が止まっているオジサンたちはさらに困る。

<郷野聡寛>
「なんか興行の最後に社長が自分と郷野の対戦を発表して、あれ変じゃなかったですか?」と逆に心配する。一同が「そんなことはない」と答えれば、「自分は特に誰と戦いたいとかはない。会社の方針に従うだけ」とクール。「ヒール役がサマになってきた郷野は挑発合戦を仕掛けそうだが、こっちは静かに迎え撃つだけ」。12月1日は横浜文化体育館に行くしかない!





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