それ、もしかしてUWF?
■投稿日時:2001年10月29日
■書き手:スパンキー

『UWFを復活させたい』

田村選手の言葉を聞いて、ついにリングスを退団してまで貫こうとした
生き様が一つの形になる瞬間が見れるのだなと思いました。

舞台は『真撃』。
『???真撃ってラーメン屋じゃないのか。
でも田村選手のことだ。きっとこだわりのうどんが出てくるはず。
全ては試合を見てからだ』

デビュー以来運動体としてのUWFを誰よりも体現してきた男が、初めて
プロデュースする世界で何を見せてくれるのか。

とにかく、田村潔司にとってのUWFが何であったかを確認する為に真撃
を見ることにしました。

小川やら、高山やら、色々話題はあったようですが、知ったこっちゃありません。
第2試合。UWFルール。佐藤耕平vs大久保一樹。
この一戦の為だけの観戦です。

期待と不安が入り交じる中、ゴングが鳴りました。

あいまみえる両者。

まるで相手を気使うかのような打撃。
攻守交代が義務付けられてるかのようなサブミッション。
ハイスポットとして取って付けたように繰り出されるスープレックス。

………。
もの悲しい想いとともに、沸き上がる感情。
『こんなのUじゃない!UWFにあらず!!UWFダンスなり!!!』

試合は佐藤選手のフロントチョークで決着。
会場からは、ぱちぱちとお義理の拍手が上がりました。

かつて試合中に『俺がUWFだ!』と叫んだ男が解説席にいました。
『この試合からUWFは感じられたか』という、アナウンサーからの
問いに対して『うーん、ハッキリ言ってあんまり感じないです』
と答えた鈴木みのる、その人です。


思うに、UWFの”アート”ファイト。やる選手に相応の実力がない
と成立しないものではないでしょうか。
リングス時代、田村選手の高阪戦とヤマケン戦を思い起こして対比
して頂ければ一目瞭然。

若い2人にそれをやる資格があったのか?会場の反応と鈴木みのるの
言葉が何よりも雄弁にそのことを現していた。そう思います。


UWFとは何か?私なりに定義するならば、『強さと面白さ』『勝負
論と観客論』『プロと競技』『格闘技とスポーツ』『リアルとファン
タジー』相反する2つの対立項を同時希求する文字通りの『回転体』。

押し付ける気持ちは毛頭ない。
でも、そのUWFを誰よりも、生き様で表現してくれたのは田村さん、
あなたです。
そのUWFを誰よりも、試合で証明してくれたのは、田村さん、あなた
なんです。


船木の代打で挑んだ初めての前田戦。すでにあなたはプロだった。
『田村練習してるな!』安生との見事な攻防は『回転体』と呼ばれたっけ。
初の格闘技戦も『普段通りで勝たなきゃ意味が無い』。勝利は咆哮と共に。
いきなりの山ちゃん越え。テーズ道場ではダブルリストロックばかりやらされた。
エース高田に初挑戦も『キックは納得するまで使いません』。赤いパンツの頑固者。
オブライト突然の狂乱も毅然と対処してみせた。UWFは後ろを見せない。
『高田さん、真剣勝負で僕と戦ってください!』見たかったなあ、高田との真剣勝負。
新日本との対抗戦を蹴ってK−1へ。月になる男はあまりにも美しかった。
桜庭との第一試合三戦。Uインターの置き土産は今やドリ−ムマッチ。
リングス移籍。プロとしてパンクラスではなくリングスを選んだ。
Uインターのジャージを着てのヤマヨシ戦。奇跡のようなフィニッシュだった。
ハンとのメガバトル優勝戦。UWFアートファイトの到達点を見た。
三度目の前田戦。格闘王を破るも複雑な表情に背負う物の大きさを感じた。
前田引退試合のセミファイナル。VTとの違いを見せ付けた。
KOK。最高のファンタジスタは、最強のシューターであることを見事証明。
Uのテーマを背負って最高の対立軸グレイシーと激突。UWF革命の総決算だった。
一階級上のアイブルとも王座を賭けて真っ向勝負。敗れるもUの魂死せず。
船木ヒクソンのセミにも出陣。UWFvsKOK。
感動のノゲイラ戦。ミラクルエスケープの先には『魅せるシュート』の世界があった。
初のブーイングを浴びたババル戦。モチベーション不足じゃないことわかってます。
リングスラストマッチ。負傷もアブダビでの経験を生かしたチャレンジを見せてくれた。


先日の試合に、これら田村選手の足跡を必死になって探しました。せめて
一片のかけらでも。
そこにあったのは、必死になってUWFスタイルをトレースしようと
もがく2人の若者の姿。
必死になるベクトルが違うだろうよ。相手にぶつけろ。
それは形骸化したUWF…。Uという名の抜け殻…。

こういう試合で本当にUWFが復活するのでしょうか?
本当に『夢や希望を与える』スタイルになるのでしょうか?

UWFとは何か?今一度考えて頂きたい。
田村潔司という名の奇跡を汚してはならないのだ。

UWFが産み落とした最高傑作・田村潔司。
その生き様に、その闘いにたくさんの『夢や希望』をもらいました。
その田村選手に、今回だけはNO!と言わねばならないと痛切に感じ
ました。
うまく表現できたが自信がありませんが、言いたい事は書きました。


大久保選手には、キツイ表現になりました。プロフェッショナルとして
リング上での返答、期待してます。頑張れ!


ネオU…それは田村選手がパトリックスミスと一世一代の大勝負に打って
出たときに付けられた呼称。
新たに築き上げられんとする世界。仮にそれを『ネオUWF』ワールド
と呼ぶならば、それは一昔前のリバイバルなんかじゃなく、新生UWF→
UWFインター→リングスと駆け抜けてきた田村選手の集大成に成らん事を、切に願う。


田村潔司とU−FILE CAMPの今後を刮目して見続けることを誓って、結びに変えさせて頂きます。





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