ピクミンの『も〜、こわい』 第3章:『謎の病原体:プリオンとはなにか? プリオンは愛』之巻
■投稿日時:2001年10月21日
■書き手:ピクミン (ex:ピクミンドットネット

飯島愛の幻のデビュー作を見たことがあるだろうか?
これがねえ、そのビデオに出ているのは今の飯島愛と明らかに同一人物なんだけど、顔は平坦だし、ムネは平だし・・・全く持って魅力がない。絶対AVが売れない。そこでこれはお蔵入りになった。
そしてその凡庸な女優に顔と胸にシリコンを足して、今の飯島愛ができあがった。AV以外でもたいした人気だったし、何本かは本番もやっているということで、ガチバカからワークオンリーまで幅広い支持を受けていた。

しかし、飯島愛が凄いのは人気があったと言うことではない。
AVという出自にもかかわらず、ガングロ・ミニスカ・Tバックというトレンドを見事に生み出してして、女子高生をfollowerだらけにしてしまったことだ。ちまたに世間の常識や男の好みから遊離したガングロミニスカ女子高生が増殖して沈殿してしまった。
あまりにも教祖に見えず、あまりにも野であるために、一般には認識はされながらも認知されていないが、彼女が若い女性に与えた影響は浜崎あゆみとかの比ではないし、飯島愛@AV女優という陰であるべき存在があのように強い影響を及ぼしたという点でも希有なことであろう。今の高校生はもう自分が誰の影響下にあるのかも知らないだろうが・・・
飯島愛の恐るべき影響力は多くのフォロワーを生み出し、ガングロ・ミニスカが世に溢れた。飯島以後はもはや以前の日本の若い女の子の生態への回帰が不可能なほど変性してしまった。整形前の凡庸な飯島愛(これを飯島愛cとしよう)が起こすことは不可能な事態だった。しかし、整形と言う名の突然変異は飯島愛c飯島愛scにはに変えた。飯島愛cには不可能でも飯島愛scには強い感染力があった。そして多くの女子高生を飯島愛scに変えてしまった。
プリオンは飯島愛なのだ。

第三章は『プリオンはなにか?』から始める

スクレーピーという羊の病気がある。これはBSEやCJDと同じで脳に海綿状の変化が起きて死亡する。初期症状として皮膚のかゆみがあるらしく、柵などで掻くので、スクレーピー(『痒いよお』という意味)と呼ばれる。今回は「プリオンとはなにか」から行くので、プリオン病を詳しくは説明しないが、この病気が羊を餌とする動物(ミンク)や他の羊にうつることが分かった。

はじめは病原体はウィルスだと思われていた。ウィルスというのは最小の生物でDNAやRNAとして遺伝子情報として持っている。放射線とか酸とかで処理するとDNAやRNAが壊れるため、遺伝情報が失われてウィルスは感染力を失う。ところが、スクレーピーはそんな処理をしても感染する。それが謎だった。

あるとき、Prusinerという教授がスクレーピー羊脳のタンパク質成分だけで病気がうつることを証明した。野心家の彼はそのタンパク質をProteinaceous Infectious Particleと名付けた。長いと呼びにくいので、PIPとかPrIPとか名付けてもよかったのだが、インパクトがないので、Prusinerがいつも使っていたハンドルネームPririnをもじってPrionと呼ぶことにした(勿論嘘だが、それほどPrionの語源に関しては意味が不明である。語呂を優先したのだろう)。

当初はプリオンはそれ自身が遺伝子情報を持ち、自らを複製できるのではないかと想像されたが、これは否定された。

今では広く知られていることだが、プリオンは生体内にもともと存在する蛋白だったのだ。銅の代謝に関係する膜蛋白で、睡眠周期やその他の不明な機能を持つとされる。そのため元々は感染性蛋白の意味だったプリオンの名前はこの生体内蛋白の名前となった。大抵PrPc(Prion Protein c)と約して書かれる。というのはcellular(細胞性)の略で、『正常生体内で発現する』と言う意味だ。
それに対して、スクレーピー羊で見つかったPrionScrapie typeのプリオンで、PrPscと呼ばれる。スクレーピーに限らずプリオン病で発生する異常なプリオンをPrPscと呼ぶ。
通常PrPcはX蛋白と呼ばれる蛋白と結合した形と単独結合しない形で平衡状態にある。そこへPrPsc(通常2つが結合した形で感染する)が細胞内に入ってくると、PrPcはPrPscの影響を受けてその形を変える。難しい言い方をするとα-helix構造主体から、β-sheetの形になり、重合する。まあ、そんな難しいことはどうでもいいが、PrPcはPrPscがあるとその影響を受けて、構造が変わりPrPscに変わる。新しくできたPrPscはさらに別のPrPcに影響を与えてPrPscをつくる。PrPcは代謝が速く分解されやすい蛋白だが、PrPscの構造になるとタンパク質分解酵素に耐性がつき分解されにくくなるし、不溶性にもなる。
これがどんどん神経細胞に溜まって神経細胞を壊すのがプリオン病の本態だ。

            ここが大事だよ↑
さて、PrPscとPrPcのタンパク質のアミノ酸配列が同じだという話を聞いて当惑したことがある人もいるだろう。でも、本当だ。一部本当ではないが本当だ。

普通信じられているのはこうだ。
どういう理由であれ、PrPscが形成されると、PrPcはどんどんPrPscになっていく。例えば、最初に入ってくるPrPscは感染性のプリオン病の場合は感染をうける側のPrPcとは違うアミノ酸配列かも知れないが、雪だるま式に次々と作られる新しいPrPscはPrPcを材料としているのだから、生体内の正常なPrPcと同じアミノ酸配列だが、出来たPrPscは最初のPrPsc同様感染性はある・・・と言うわけだ。
おそらくスクレーピーもクールーも最初の1羊・1個人に起きた突然変異が原因でPrPcの代わりにPrPscが出来てしまったのだろう。ここまでは『遺伝子の変異によって異常な蛋白が作られた』という遺伝子病だ(注3)。これが他の個体にうつると遺伝子変化なしにどんどんPrPcをPrPscに作り替えてしまう感染症になるのだ。そう飯島愛cが飯島愛scになったとたんに女子高生を飯島愛scに作り替えて、瞬く間にそれが非可逆的に広まってしまったように

と言うわけで、プリオンは愛なのだ。もっともこういうアナロジーはいろんな形でなされているようだが・・・
簡単に書いたから全てのストーリーが明らかなようだが、そうではない。『プリオンには付属する別の因子があってそれが影響している』『プリオンに隠れたウィルスがある』『このセオリーでは感染性プリオンが実際には作れない』などなど・・・沢山の問題がある。面白い話だが、それはまあ、おいておこう。

さて今回はギャグ抜きでまじめな話になった。元々まじめな話なんだからしょうがないが、あれ程度プリオンがどんなものか知っておかないと話が続かないからなあ。

では、ピクミンは夜は月に帰る。何故私がピクミンと名乗っているかはそのうち明らかになるであろう。が、ならないかも知れない。

注1:狂牛病はBovine Spongiform Encephalopathy(ウシ海綿状脳症)、略してBSEと言うこともある。人に感染して発症すると、new variant Creutzfeld-Jacob Disease (nvCJDまたはvCJD)になる。これは話の都合上絶対覚えておいてね。いちいち説明するのは面倒だし、『クロイツフェルトヤコブ』とか『変異型クロイツフェルトヤコブ病』とか『牛海綿状脳症』とか、長すぎて書きにくい。

注2:プリオン病とは、異常プリオンの沈着(本来ない場所に物質が多量に蓄積する病態)によって起こる神経細胞への障害を基本とする病気のこと。スクレーピー、BSE, vCJD, Kuru, CJD, Gerstmann-Strauss Syndrome, fatal familial insommniaなどなどがある。症状、病態に共通性が高い。

注3:例えば癌は遺伝子の異常によって細胞の増生に調整が利かなくなる病気だ。主な原因は遺伝子に起こる複数の変化による癌遺伝子・癌抑制遺伝子の発現異常である。だから癌は遺伝子病と呼ばれる。他にも沢山の遺伝病も特定の遺伝子の異常によって起こる事が分かっているので遺伝子病だ。
対して、炭疽菌症とかインキンなど、感染を起こす病原体が主な原因となって起こる病気=感染症である・・・当たり前か?







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