第一回「はじめて格闘技を見た」
■投稿日時:2001年9月21日
■書き手:ささきぃ (ex:「気分次第で責めないで」

はじめまして。今週からこちらでコラムを連載させていただくことに
なった、ささきぃです。よろしくお願いします。

たしか最初は月に2回でも3回でもいいと品川さんは言ってくださって
いたのですが、仕事が忙しくない週の金曜日という、それってただの
言い訳付きな週刊じゃないの?しかも何かそれ出なかったら明らかに
私が悪いって感じしない?という発行ペースになりました。
頑張るよ!できるだけ!

私は26歳で、普段OLをしています。OLだからつまり女性です。
格闘技やプロレスは見始めて約1年です。
多分いま格闘技ファンからは確実にウザイと思われている
「桜庭ファン」のひとりです。
普段は「気分次第で責めないで」というメールマガジンを書いています。
この度めでたく読者数が100人になりました。最初の頃3人だった事を
考えると、人間の可能性はナメちゃいかん、という気持ちになります。
出張版ということでこのタイトルを考えてくださったのも品川さんです。

そういうわけで会うと礼儀正しいと言われるけど文章は口が悪い私です。
よいしょ。普段のペースに戻す。

はじめて、ということで、はじめて格闘技を見たときの話を。
その頃の私は格闘技なんて全く興味がなかった。

本当に好きになって引き込まれてしまったのは、PRIDE10からなのだけど、
その前に偶然、テレビで見ることが出来た試合があった。

船木vsヒクソン戦である。

普段私は家に帰ってもテレビをつけないタイプの人間である。
朝以外は私の部屋のテレビは全く働いていない。
それなのに、その日は本当にたまたま、テレビを見ていた。

ヒクソングレイシーという名前はどこかで聞いていた。
よく知らないけど強い負け知らずな人である。
その方とどなたかが対決するという。
ヒクソンという方の説明映像が流れる。

よく知らないけど、かなり手強い方らしい。
その方が今夜挑戦を受けるという。

興味はないが「伝説が崩れるところ」に、例えたまたまでも
立ち会えるんなら光栄だな、と思った。
相手はプロレスラーだという。
着流しを着た船木登場。

あれ?この人プロレスラーなの?

プロレスラーってみんな橋本真也(今では大好きです)か
佐々木健介か天山的ルックスだと思っていたので、
船木を見てかなり驚いた。

こういうプロレスラーもいるんだ。そうか。すまなかった。
頭巾のようなものをかぶった禿げたヒクソン登場。

・・・おっさんじゃん。

ヤバイんじゃん?これ、ヒクソン負けちゃうんじゃないの?
何か元気なさそうだし。
伝説ってヤツが崩れちゃう瞬間に立ち会えるのか。
興味はないけどそういう歴史が動く瞬間にいれるなんて、
何か得した感じ。

と思ったらヒクソン強ぇえ強ぇえ。

あれよあれよと言う間に倒され、殴られチョークで(首絞められて)落ちてしまうまでの流れを見て、
麦茶を口に運ぶことも忘れた。
何かわからんがスゲエものを見た。

その後リングに上がる人の多さにまたビックリ。
仲間が多くていいなぁ。
あ、目が腫れているぞ、ヒクソン。

何度も何度も繰り返されるヒクソンの動きと、
その鮮やかなやり方にまた感心してしまった。

そうしているうちに着流しの人がいきなり
「15年間、ありがとうございました」と言った。

何がなんだか。
いきなり初対面の相手にそんな事言われても(こっちの都合)。

やめちゃうのか?負けたのがそんなにショックだったのか?

目の前にいっぺんに起きた人間模様ぶりに、
持ったままの麦茶をどうしたらいいかわからなくなった。
とりあえず飲み干してお風呂に入ることにした。

何がなんだか。

何がなんだかと言う言葉しか出てこない。
わけがわからん。

あまりにも自分の中でどう処理すべきかわからなくなって、
とりあえずプロレスファンの友人にメールを送った。

「ヒクソン? あなたの口からその名前が出るとは・・・
 強いよねー、ヒクソン。
 高田のときはともかく、今回、船木も負けたってことは、
 やっぱり、本当に強いんだろな。
 でもね、ヒクソンはちょっとおかしい。
 育ち方、暮らし方、考え方から、練習、食事、全部ヘン。
 あー、だから強いのかも。
 それにしても、5年前の船木だったら、勝てたかも
 しれないのよ。それが悔しいよねー。
 もうちょっと早く、対戦できれば良かったのにな。」

読んでますます当時の私は混乱した。

高田と言う人のことは知らないが、
そしてヒクソンがヘンなのはまぁ、知らないけどいいが、
どうして5年前ならなんて年数の単位が普通に出て来るんだよ!
おかしいだろ!
1年生が5年生になってそれを終える年数だろ。
どうしてそんな前から普通に船木って人を見てるんだよ!
んでどうして5年前なら勝てたかもしれないんだよ!
その5年前の船木に対する絶対的な信頼は何だよ!!

それにどうしてそんな前から対戦の話が出てるのに
今になって試合してるんだよ!
わけわかんねぇよ!

わけがわからない。
何がなんだか。

歴史的にスゴイ瞬間に立ち会ったのだと勝手に勘違いして、
会社でしゃべったりもしてみたが、反応はなまぬるかった。
やれヒクソンはもうトシだの船木が弱いだの金とりすぎだの
そうじゃなくて私はあのときの
「何がなんだかわかんないけどスゴイものを見た」
って言う感じを誰かとわかりあいたいだけなんだ。

それなのに、どいつもこいつもわかっていない(お前だよ)。

ちょっぴり残念な気持ちになりながら、気持ちを納得させることにした。
わけがわからないがとにかく「そういうもの」なのだろう。
ご縁があればまたこの世界に接することもあるだろう。

そして私は自分の見たものにフタをして、心のどこかに片づけた。

その後、私は桜庭和志という人によって
本格的にこの世界に惹かれていくのだけど、
あとから考えて、あの試合にテレビの前で立ち会えたことが嬉しく思う。

運命なんかじゃなくて、それは面白いモノを引き当てた私の運だ!
と、自画自賛したところで、

そろそろ仕事に戻ります。忙しくなかったら、また来週お会いしましょう。
ささきぃでした。

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