この夏 観戦記ネットイチオシ映画 ついに日本でも劇場公開!!
噂のシュート活字映画「ビヨンド・ザ・マット」がスクリーンで・・・・
■投稿日時:2001年8月9日
■書き手:品川(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 「ビヨンド・ザ・マット」(Beyond the mat)

 この映画は2000年に正式に全米公開され大人気を博しました。プロレスを扱ったドキュメンタリーでは「ブレッド・ハート」の1998年に公開されたレスリング・ウィズ・シャドウズ(Wrestling with Shadows)が、プロレスの舞台裏を公開したドキュメンタリーとして、昨年日本語字幕版ヴィデオが発売され反響を巻き起こしました。

 今作は、あのシュート活字の元祖我らが田中正志「シュート活字映像の最終形態」と公言してはばからないほどの出色の出来となっています。まさにプロレスファンにとっても、そうでない人にも傑作ドキュメンタリーフィルムと太鼓判を押すことができる作品といえるでしょう。

 映画は、テリー・ファンク、ジェイク・ロバーツ、ミック・フォーリー(マンカインド)の三人のレスラーの仕事ぶりとその実人生を中心に、他の多くのレスラーや関係者のプロレス人生の断片にも触れているところがファンにはたまらないところです。

 また、この映画はWWF等のメジャー団体だけでなく、メジャー進出を夢見るレスラーが初めてメジャー(WWF)でテストマッチをさせられる姿、有名レスラーを呼んで行う地方の一発興行など、様々な種類の興行の風景を我々に見せてくれます。

 そしてこの映画から、プロレスラーの凄みを感じ取って欲しいです。フェイクとリアルの狭間にいるレスラー達のまさに生死をかけた凄まじい生き様、プロフェッショナルの極み・・・・
 がさつ・絶望・家族への愛・ドラッグ・家族に自分がまさに殺される姿(笑)を見せてしまう神経・・・・・etc
 人間臭さが満載の映画で、プロレスファンのみならず「お客様と戦う」というフィールドにいるエンターティンメントとしてサッカーファン・野球ファン等にも是非見ていただきたいです。

 プロレスファン向けにも少しだけ・・・

 私は、テリーファンク編に涙が止まりませんでした。全日マットでの引退セレモニー「フォーエバー・フォーエバー・・・・」(テリーファンクは不滅です・・・)の絶叫が聞くことが出来ます。正直全盛期とは変わり果てたテリーがECWのPPVのメインを張るためフィラデルフィアまで飛んでいき、梯子(ラダー)からムーンサルトで頭から落ち、それでも勝利を奪い、観客・仲間のレスラー・妻・娘ら全てから祝福されるテリーの感動的な姿・・・(泣けますよォ)

 テリーとは対照的なんですが日本のファンには余りなじみのない、ジェイク・ロバーツ編も素晴らしい出来です。彼と娘のグリズリ−・スミスの歪んだ親子関係(幼い頃の虐待)を投影しながらの彼のインタビューは、なんともいえない気持ちにさせられます。ヤケになり、コカインをやる気持ちが十分に理解できてしまうのがドキュメンタリー映画の面目躍如たるところです。

 そして、最近日本においてもCS放送のおかげで、人気が定着してきた感のあるアメプロファンにはたまらないのがミックフォーリー編です。最近のアメプロ人気からすれば、ミック編が一番面白いと言えるでしょう。もちろんキャククタス・ジャック(日本登場時のリングネーム)時代のFMWの映像もふんだんに出てきて、オールドスクール(笑)ファンも狂喜乱舞することうけ合いです。この映画の衝撃的なクライマックスであるロイヤルランブルにおけるミックvsロックの戦いの衝撃はとても言葉では語り尽くせません。

 ミックは自分の家族を試合に招待し、試合前のロッカールームではその日の対戦相手のロックがミックの子供の頭をなでたりしてます。しかし、試合が始まるとミックは後ろ手に手錠をはめられ、ロックは椅子で無抵抗のミックをガンガン殴りつけます。ミックは大流血、家族は悲鳴を上げて泣き叫びます。(この辺は衝撃的ですよ)もちろん手錠も椅子も前もって準備されていますし流血もストーリー(打ち合わせ)通りです。王座を奪われた血だらけ疲労困憊のミックが、控え室に戻ってきます。子供達の姿を見つけるとすぐにミックは「パパは大丈夫だからね。わかったかい?」と繰り返します。ミックは(仕事振りを)レスラー仲間の賞賛の拍手を背に試合後にミックが傷を縫ってもらっている時に、これまたストーンコールドにメッタ打ちにされたWWFオーナーのビンス・マクマーンがやってきて、自らの出血した個所をガーゼで押さえながら・・・・・・・・・・・冷静に一言「これがショウビジネスだ」

 何しろインパクト抜群!! まあこれ以上は、映画館でのお楽しみと言うところです。

 それと、もう一つ重要なことが・・・・・この映画では当たり前のように進行していますが、プロレスの舞台裏を詳細に描写しています。日本のプロレスでは考えられないことが海の向こうでは映画にまでなっているわけです。
 今回は、一般の方にも是非見ていただきたいです。プロレスにはある種「タブー」はないのです。

 「プロレスは八百長」でいつも片付けられ、力道山のように我慢我慢のプロレス者(笑)にとってこの作品は、現状を見事に跳ね返して余りある作品です。

 ぜひぜひご覧ください。ズバリ 泣けます

 監督は今作で監督デビューのバリー・ブラウスティン
 日本配給は、クロックワークスです。http://www.klockworx.com/beyond/
 103分 原題:BEYOND THE MAT

東京は8・11から 渋谷シネマライズにてレイトショウ上映時間は21:20〜23:05頃の予定
http://www.messe.gr.jp/chaos/kaigai_new/other/other.htm

全国でも北海道・名古屋・大阪・九州等で上映の予定です。

田中正志より追加情報(笑):映画の冒頭に出てくるゲロ履きドロシー君が、その後半身不随になりました・・・





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