宇野選手の試合直後のタイトル返上について
■投稿日時:2000年12月21日
■書き手:ピストル大名

まず、修斗は競技であるという「売り文句」で商売をしてきた。売り文句と書いたのは現状ではそれがイメージ戦略の
一環という色合いが強いからです。
坂本プロデューサーが率先してやってきたのはイメージ戦略。試合はシュート、しかしそれ以外の部分で徹底的に
幻想を築くという新しい手法でした。そのため「修斗は競技である」というお題目を達成するために、その通過点として
ルミナを必要以上に祭り上げる事にしたようです。プロスポーツのプロデューサーとしては、非常に優秀だと思います。
(修斗コミッションの放言を押さえなかったのが唯一の失敗でしょうか。)

今回の興行の副題は「チャンピオンへの道」。"への"です。まぁ「セミとメインがチャンピオンシップだから」とか
「チャンピオンが真のチャンピオンになるための云々」と言った逃げ道はあるかとは思いますが、入場の演出を見ても
ルミナを前面に押し出してたのは見て取れました。
競技であるにも関わらず、片方の選手に肩入れしつづけたわけですね。これは信者以外は共通して持ってる認識だと思います。

さて、試合は宇野の完勝でした。短い時間でしたが、おそらく3Rフルに戦ったとしても宇野が勝っていたと思います。
動きにキレがあり、安定感もありました。ルミナの動きは何かチグハグに映りました。
宇野は競技であるはずの修斗から、興行団体的側面により突きつけられてきた難題を、全てクリアした上で結果を
出しました。
もう宇野は実力で修斗の象徴ルミナと修斗の核である(僕はまだ競技だとは思ってないので)サステインの
上をいってしまったわけですね。個人的な憶測ですが、もう修斗が小さく見えてしまったのではないかと思います。

試合後の宇野選手のマイクですが、ルミナに敬意を払っていたのは事実でしょう。エースという立場をまっとうし続けた
ルミナは偉大です。しかし、修斗そのものには、恩は感じても既にそれほど敬意を払ってはいなかったのではないしょうか。
僕はあのマイクと"その場での"ベルト返上を見て、修斗に喧嘩を売った事は間違いないと思います。今まで我慢に我慢を
重ねてきて、最後に最高の結果を出した上でのこの上ない仕返し。不言実行の男が、全ての結果を出したあとでの一言。
しびれましたね。思わず会場で拍手してしまいましたが、周りは凍り付いてました。

一方のルミナはエースとしての役割を今まで十分に果たしつづけました。エースとしての立場より、単なる一選手として
試合をしていたらどんなに楽だったかと思います。必要以上にアグレッシブな戦いをしなければ、勝率も良かったかもしれません。
どちらに転ぶかわからない大事な試合で、ルミナはその対戦を煽る発言をし、リスクを自ら高める事で注目を集め、
そして2回続けて衝撃的な負け方をしました。
僕はただ単純に強い選手にはそれほど魅力を感じませんが、こういう選手には強く惹かれます。
そしてあの大舞台で、衝撃のワンパンチKO負け。非常にルミナ的でした。本来ならあの試合を見た観客の脳裏には
ルミナの姿が焼きつき、ルミナの今後で頭がいっぱいになる事でしょう。そういった意味では、"プロとしては"ルミナが勝った
とも言えるはずでした。しかし宇野のベルト返上により、それすらも許してもらえませんでした。
今回は全ての面において宇野の完勝だと思います。

一部で修斗とルミナに対する冒涜だとか言われてますが、修斗が宇野にとった姿勢は非難されてしかるべきです。
ルミナまわりに関しては、やってることはそこらの興行団体と何ら変わりません。それに対し批判するつもりは一切ありませんが、
必要以上に「競技である」という事を強調し、それを理由に選手に圧力をかけ、他団体を批判していた修斗だからこそ、
宇野陣営が快く思わないのは当然です。
また三島や五味と試合してから出ていけという人もいるようですが、それは宇野にいうべきではありません。
僕もルミナより五味や三島が"実力だけなら"チャンピオンシップに相応しいと思います。
しかし修斗側が宇野の初防衛の相手にルミナを選んだわけです。
そして修斗が選んだ「チャンピオンに挑戦するに最も相応しい選手」を一年半の時間を経て、再びそして今度も文句の出ない形で
完勝したわけです。もう宇野から率先して修斗側からの挑戦を受ける必要も無いでしょう。

修斗の試合はその名の通り100%シュートでしょう。それはある意味アマチュア的であると言えます。
修斗が自らアピールする「競技」である以上、常勝は有り得ない。
今、宇野の株価はピークに達しました。最前線で試合していたら負ける事も当然あるでしょう。あと宇野に残された道は
負けて”現役選手としての”評価を落すだけなんです。修斗が将来にわたって宇野を保護してくれない、そう言った意味で
今後を任せられない組織なら、自分の努力で築いた価値まで律儀に捧げることはないです。今離脱するのは当然です。
もう修斗においては「あがり」なんです。

宇野が今後舞台を移して戦っていくのかそれとも現役を退くのか、今は全くわかりませんが、修斗史上最高の黄金カードを、
完全な勝利とベルト返上という想像を遥かに超えた結末を演出した宇野選手を、僕は最大級の賞賛と共に支持します。
とにかく昨日の宇野は最初から最後まで本当にかっこよかった。


宇野選手に対し「志が低い」とか「金に転んだ」などいう前に、もう一度よく考えてもらいたい。





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