GAEAの面白さとは(後編)
■投稿日時:2000年10月16日
■書き手:maya(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

6.観客

試合の面白さに味つけをしているのが、観客の声援である。
後楽園ホールで言うと(これは実際、関東近郊の本川越の試合を見て、ホール特有の現象なのかもしれないと感じたのだが、実際、大差は無いのだが)、観客の男女比率は半々から若干女性の方が高い。

もちろん、15年前の若い頃からのファンであったお母さんが、子供を連れて見に来てもいるし、GAORAとかを見て最近ファンになったような女性も来ている。ただ、概して感じるのは、根っからの女子プロレスファンという訳でもなく、取り敢えずGAEAだけ見に来ているような感じがする人たちが多いようにも思える。

しかし、こういうファン達は、選手の一つ一つの動きに敏感に反応し、会場には異様な雰囲気と一体感が生まれる。全ての動きを見逃さないようにと、血まなこになって観戦しているのであろう。この雰囲気も実際、味わってもらわないと分からないだろう。

私の場合、最近こういう雰囲気を感じるのは、闘龍門とGAEAである。
在米の日本人の方(女性)で、フィラデルフィアの倉庫を改造したような「ECWアリーナ」での、ECW興行の観戦記を読んだことがあるが、ライブハウスのような凄い熱気だったそうである。ファンが本当に楽しむために見に来ているのであろう。

私はECW自体ライブでは勿論ビデオで少しだけ見ただけだが、GAEAとは男女比率は違うし、アメリカ人と日本人ということで、楽しみ方は多少違うのであろうが、観客の求めるものや雰囲気は類似したものがあると思う。

それでは、なぜGAEAの会場はそれほど高いテンションを保つことが出来るのか。もちろん、試合の面白さという面もあるが、それ以外に説明のつくことがある。

それは、前述した通り、GAEAはプレス以外招待券、割引券を出していないので、GAEAを見にくるお客さんというのは、マスコミ以外全て自分でお金を出しチケットを買って見にくるお客さんなのである。選手の家族もチケットを買わなければいけないらしい。

私は、他団体の売り興行や地方興行を見に行ったことがないのだが、そういう興行では、招待されたそれらしき人が前列に座っているらしい。ホールの他団体でもそういうのを感じることが出来る。

そういう観客が集って独特の空間を作っているということは、容易に想像できるであろう。とにかく、反応がいいのである。これは、選手にとっても分かりやすい。何をすれば客にアピールできるか良く分かる。

そして、また話しが戻るが、GAEAは売り興行はしない、スポンサーを付けない、客にファンクラブ会員を除いてプライマリーを付けないという方針により、スポンサー、地方のプロモーター、タニマチを意識せずに、一般ファンに向かう体制を作ったのではないか。あちこちしらがみを、意識せずに一般ファンに対してだけ注力する体制を作ったことに、GAEAの斬新性を感じるのだが。

7.生え抜きの成長

GAEAを見たことが無い人の批判として必ず出て来るのは、所詮GAEAはクラッシュを中心に、ビッグネームのベテランを参戦させているだけで、美味しい所取りでたかが知れているというものである。

もちろん、それだけなら、本当にそれまであろう。しかし、今のGAEAの実際のテーマは、急成長したキャリア5年の若手が今後どうなるかである。実際に、会場で見てもらえば分かるが、今のGAEAはクラッシュやビッグ・ネームのベテランで客を呼んでいる部分はあるが、会場に来てしまうと、客のほとんどがこの若手たちに感情移入してしまい、別にGAEA=クラッシュではないことを感じさせてもらう。

少し前までは、GAEA生え抜きの若手とベテラン・フリー選手の間には圧倒的な差があったが、現在同等とは言えないが、かなり差は埋まって来ている。今GAEAを定期的に見にくる客というのは、もともとは長与や飛鳥を見たいクラッシュ目当てだったかもしれないが、若手がベテランとどうやって差を埋めるべく戦うかの方が興味があるのではないか。

実際、今のGAEAで毎回一番面白い試合は、54キロの永島の試合である。手を替え品を替え相手を翻弄する姿に会場はヒートする。これは、相互作用があるのだが、GAEAの会場では、選手がそれなりのムーブをすると敏感に歓声が起きる。これは、静かな会場と違い、選手にとって試合中にどういう事をすれば、客に受けるかというのが分かるのではないか。ちなみに、jd’のブラディー選手は今年の5月からGAEAに参戦したのだが(最近、jd’が人手不足になって、なかなか来れなくなったが)、試合前にあまりの緊張で吐いた事もあるそうだ。ブラディーは結構、気が強く見えるのだが、この手の選手もその位のプレッシャーがあるということは、敷居が高いというのも確かであろう。

しかし、そういうシビアな雰囲気の中でも、広田が場内を笑わせてくれる。もう今や、広田を見たくてGAEAを見にくる人もいるであろう。あの面白さも実際見てもらわないと思うが、今迄、相撲のしょっきりのような笑わせるプロレスというは、いろいろあったが、広田の芸は他を圧倒しているような気がする。あの若さでツボを心得ているというか、芸は細かいし、毎回パターンを変えて来る。まあ、どんなにおバカをやっても憎めないキャラかもしれないが、将来の目標は?と言われて、タイトルを取りたいとかでなく、女優になりたいというのは彼女くらいであろう。ここが緩急を織り交ぜた面白さではないか。

8.問題点

問題点も上げなければいけないだろう。

ベテランの存在

いくら生え抜きの選手が実力を付けたとはいえ、今のGAEAがフリーのベテラン達への依存度が高いのは確かだ。実力も尻尾くらいは追いついたとはいえ、まだまだ歴然とした差がある。もし、これらの選手が他団体に移ったり、相次いで引退したらどうなるかという問題がある。

あと、GAEAにとって幸運だったのは、一昨年の飛鳥参戦以来、ほぼ同時期にラスカチョ(ただ昨年の10月から距離を置いた)、8月に北斗、今年の3月のデビル、6月の関西が相次いで参戦し、サプライズと共に新鮮味を保った面もある。ただ、もうこの手の選手はもうあまり残っていないだろう。今後、新戦力をあまり期待せずに新鮮味を保つにはどうしたらいいか。

ストーリー的な行き詰まり

今迄のGAEAは大河ドラマのような流れるような展開の早いストーリーも魅力の一つであった。しかし、今年5月の有明以降、クラッシュと平成世代対昭和世代の戦いという抗争が続いている。これは、ある意味行き着く所まで行き着いた感がある。今後、新たな展開があるのか?まあ、これは、ある意味で楽しみのひとつかもしれないが。

新人不足

現在、GAEAではデビュー約1年の竹内の下に、新人も練習生もいない。新しい血が望めないのが現状である。ただ、この件に関して5月頃の杉山代表のインタビューでは、今はあまり心配してないと言っていた。私はどうしてかなと思ったのだが、どうやら、クラッシュをエサにするのを予定していたらしい。11月締め切りでクラッシュ・ジュニアということで、練習生を募集した。結構集ってきたらしい。



GAEAは結果的に、中間マニア層を切り捨てて、舞台裏まで分かっている大人のファンに支持され、初めて見るお客さんも満足させている。この両端に好かれることは、並み大抵のことではないが、アメプロが巨大化した際の、理想の浸透の仕方でもあった。今後、必ずしもプロレスファンでも無いという層にどういうアプローチをするか注目したいところだ。





本稿の著作権はすべてKANSENKI.NET及び「書き手」に帰属します。

戻る
TOPへ