観戦記ドットネットアワード2002 −ひねリン−
MVP ボブ・サップ
最優秀プロレスラー カート・アングル
最優秀シュートファイター ムリーロ・ブスタマンチ
最優秀女子選手
優秀賞1 高山善廣
優秀賞2 アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ
優秀賞3 ザ・ロック(映画俳優として)
優秀賞4 ロウ・キー
ベストタッグ(トリオ可) ロス・ゲレロズ
ベストマッチ(プロレス部門) ザ・ロックvsハルク・ホーガン
ベストマッチ(シュート部門) ボブ・サップvsアーネスト・ホースト(2戦合わせて)
ベストマッチ(女子部門)
ベスト興行 WWE サマースラム
ベスト団体 ZERO-ONE
新人賞(男子) アル・ウイルソン
新人賞(女子) ドーン・マリー
ベストブッカー/マッチメーカー/プロデューサー DEEPの佐伯さん
ベストレフェリー
ベストコメント(マイク、試合後コメント、雑誌インタビュー等から) トーチ掲載の、シックスパックのプロレス論。
重大ニュース/アングル カンチョー起訴さる。
今年目立った人(選手・スタッフ・解説・芸能人等全て含め) ももせ
KANSENKI.NETベスト観戦記 ノリリン「佐伯の現実・三沢の夢」12/7 NOAH &12/8 DEEP
KANSENKI.NETベストコラム メモ8言いたい放題「プライドの巻」
ワーストMVP 名前忘れたけど、WWE RAW のチーフシナリオライター。
ワースト試合
ワースト興行 11/17 EPIC。
ワースト団体
ワーストアングル
コメント
アメリカに住んでるので、まず去年のアメプロ界について、1ファンの立場から振り返ってみます。

去年のWWEは、動員と視聴率は低下を続けたみたいなんだけど、ショーの質そのものに関しては、年間を通してけっこう面白いものも多かったという、ちょっと困った一年だったような。

レッスルマニアのロックvsホーガンは、それこそプロレスの神様が舞い降りた試合というか、二人のカリスマが観客の期待感と化学反応を起こして、レスリングそのもののぼろさを完璧に吹き飛ばし、鉛筆の都合も超えちまったマジカルな試合だったし、夏のサマースラムは全てが好試合という、たぶん5年に一度くらいの完成度の興行だったと思う。

で、夏から秋にかけては、ロウが悲惨さを増して行くのに反比例するように、スマックダウンの職人達が、毎週組み合わせを変えつつ、凄い試合を見せていった(なんと言ってもベノワ、アングル、エディ、ミステリオ。エッジとチャボも、レスラーとしては一枚落ちると思うけど、彼らによくついていった)。

これだけのショーを見せておいて、視聴率も動員もイマイチパッとしないというのはそれこそ深刻な話ですよね。ストーリー重視のロウがだめなのは、トリプルHが出過ぎとか、根本的にライターが無能で話がつまらんせいもあるけど、やっぱり90年後半の大爆発以降、観客が大仕掛けのスタントやエロに慣れちゃったってのも大きいと思います。テレビだから、過激化には限界があるし。

番組編成について言えば、RAWとSMACKDOWNの二分化はどーにもまだ成果が上がってないけど、同時にコンフィデンシャルとタフイナフという、リアリティTV系の番組がそれなりに定着したのは個人的に好きです。リアル部門とファンタジー部門がうまく住み分けされてると言うか。もっとも、前者は途中から露骨につまんなくなったし、後者も3シリーズ目にして倦怠期に入った感もあるけど。

で、WWE以外の団体はというと、やっぱ状況が明るいとは言えなさそうな気がするなあ。3-400人集まれば大成功、って感じだろうし。ちっちゃな団体ができては潰れ、できては潰れを繰り返してる印象高し(まあ毎年なんだろうが)。NWA-TNA、よく一年乗り切ったな。

でも、俺の住んでる南カリフォルニアにしても、他のインディーにしても、(笑うくらいちっちゃなハコで)けっこう質の高い試合をしてる所はけっこうあると思う。頑張ってる選手は多い。そんな彼らの努力が報われはじめたというか、去年のロウキやスパンキーやフランキーやアメドラを初めとして、軽量級の好選手達がどんどん日本に登場し出しましたね。

WWEでは決して見れないようなアルタナ系プロレスをやろうとして、若さに任せて無茶したり、日本のプロレスのVからクールなムーブを片っ端からカット&ミックスして自在に試合に組み入れている、自由奔放なインディーの選手達からはすごく元気をもらいました。それが報われて、とうとう日本行きの夢を実現した選手にはホント頑張ってほしい。


ってことであとは各賞(該当無しについては理由を述べろということだけど、女子などはあまり見てないし、あとは特に思い当たらないからです)。

MVP。アメプロを中心に見てる俺にも、否応無しに目立ったのはやっぱりサップ。いや、アメプロ的な観点からも、この人のブレイクはすごく重要だと思うんですよ。以前にある方へのメールでも書いたんだけど、この人の(マイク)パフォーマンスはビンスのそれと質が似てる気がするんです。

つまり、ビンスのパフォーマンスの奥義と俺が思うところの、「演技の極端さが突き抜けていることから生まれる迫力と笑い」ってのが、サップにもあるんですよね。これってのは、見る者に自分のパフォーマンスがあからさまに演技であるということを否応無しに伝えつつ、同時にその迫力で人を感心させもします。その、演技のあからさまさとシリアスな迫力のギャップが「笑い」を産むんでしょうたぶん。

とにかくそういう点で、俺的にはサップは、90年代後半に大爆発したアメプロの奥義を、新世紀に日本に初めて導入した人物として重要です。だから、W-1という、日本型の大スペクタクルショープロレスの実験が、サップとともに始動したのも必然かと思われます。

で、こういう日本型ショープロレスが、カミングアウトを済ませて、(上述の番組編成の部分にもあるように)ファンタジーとリアルが比較的キレイに住み分けているアメリカ型とどう異なった展開をするのか、ってのも興味深いです。つーことで、やっぱサップは日本のプロ格界を考えるカギじゃないかと。

格闘家としてのサップの魅力についてはベストバウトの方で。プロレスラーとしてのリング内の仕事ぶりに関しては、まだまだこれからですよね。

最優秀プロレスラー。アングルはすごいです。いつも働いてます。誰とでもいい試合します。コンディショニングも身体能力もべしゃりも図抜けてます。

最優秀シュートファイター。まあふつうに考えれば無敗のノゲイラなんだろうけど、俺はリンドランドに勝ったあの一戦だけでこの人、ブスタマンチ。五輪レスラーをレスリングで圧倒し、殴り倒し、超ミスジャッジにもめげずに二度もタップを奪ってみせたあの日、あの人は確かに神でした。たぶん俺が柔術家で、今年30になっちまったことも影響してます。

優秀賞。最初の二人は説明不要でしょう。俳優ロックは、世間へのアピールという点で、日本のサップと同等かそれ以上の働きをしたと思われるので。ロウキーはROH、NWA-TNA、ZERO-ONEと日米を股にかけて、常に気合いの入ったハイレベルな試合をしてたので。

ベストタッグ。ちょっとひいきも入ってますが、ゲレロズは小悪役タッグチームの教科書みたいな試合をします。チャボはシングルではいまいちだけど、おじさんと組むと実にソツのない働きをする。

ベストマッチ(プロレス部門)については、上述しました。

ベストマッチ(シュート部門)。第一戦目。踊りながら入場してくるホーストは、K-1を守る妖精のように美しく見えました。もっとも第二戦目では、不自然なシュルトの「負傷」によって、K-1というものは妖精なぞ寄り付くはずもない政治的意図にまみれた汚れたモノであることが改めて確認されてしまったわけではあるけど、リング場ではそれを忘れさす強度の身体表現を二人が見せてくれた。

シュート試合で相手に恵まれたときのサップって、もちろん表情もいいけど、それ以上に全身を使って、根源的でものすごく単純なもの、呼ぶとしたら「生」とか言いたくなるものを、分かりやすく伝える天分があるような。

ベスト興行については上述。

ベスト団体。ひねくれていて、かつ純情なレトロ趣味が素敵なゼロワンですが、俺的には、米インディーの好選手達をきちんと見つけだして夢の日本遠征を与えてくれて、さらにWWEへの道も開いてくれたことも大いに評価できます。

新人賞。言うまでもなく、男女対にしてのシャレです。いやあ、オブザーバー等ではめちゃくちゃに叩かれてる二人の結婚アングルですが、俺すげー好きなんですよ。ドーンは見事に憎たらしい女をやってるし、アルのマヌケさもただ事じゃない。娘のトーリーの演技のすさまじい下手さも、高品質の試合の並ぶスマックダウンにある、このチープなアングルの不条理さを増すのに役立っています。
男子は、普通に考えれば吉田かレズナーですけどね。

ベストブッカー。なんつったって三島vs伊藤を実現してくれたのがでかい。次点は、スマックの質の高いショーと、新人レズナーを見事にひっぱったポール・ヘイマン。

ベストコメント。これは短く抜き出せと言われても難しいんだけど、一番おもしろい部分は第二掲示板に訳して紹介して、今でも下の方に残ってるからそれを参照して下さい。

重大ニュース。新春の大事件にもつながるし。

目立った人。よく知らないけど、みんながこの人のこと言うから。

ベスト観戦記。よいこでは二つセットで上がってたんですよ。たまたま続けて観た全然別種の二つの興行を、安住の地を求めるファンと、彼らにそれを与えるべき団体の主をテーマにリンクさせてしまうという。相変わらず冴えてますね。

ベストコラム。まーメモ8っさんの文は全部おもろいですよ。選んだやつは、最後の「田村という畑は、壮絶な燃え方をする筈だ」というフレーズが個人的にヒットしたから。年間通した貢献度で一人あげれば当然タカーシさんでしょうね。

ワースト興行は、俺の中ではこれに尽きる。南カリフォルニアのスマーク連中待望のビッグイベント。ウルティモドラゴンが来て、去年のキングオブインディーのアメリカンドラゴンと、ローカルヒーロースーパードラゴンとの3wayドラゴン対決。サブゥーも来るし、その他精鋭がいっぱい・・・
と楽しみにして行ってみたら、プロモーターが金を作れずにハコを押さえることができなくて、レスラーも関係者もファンもみんな会場に入れず、ストリートに立ち往生。翌日に興行をやるとか言うその場での約束も当然守られず。そのまま団体は逝去。結局社長は選手にギャラや交通費払えたんだろーか?


 
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