観戦記ドットネットアワード2002 −愚傾@技術責任者−
MVP 高山善廣(プロレスリングNOAH)
最優秀プロレスラー 小川良成(プロレスリングNOAH)
最優秀シュートファイター 高山善廣(プロレスリングNOAH)
最優秀女子選手  
優秀賞1 殊勲賞:金丸義信(プロレスリングNOAH)
優秀賞2 敢闘賞:モハメド・ヨネ(プロレスリングNOAH)
優秀賞3 技能賞:永田裕志(プロレスリングNOAH)
優秀賞4 特別賞:小橋建太(プロレスリングNOAH)
ベストタッグ(トリオ可) 金丸義信・菊地毅(プロレスリングNOAH)
ベストマッチ(プロレス部門) 小川良成vs秋山準(4/7 プロレスリングNOAH 有明コロシアム)
ベストマッチ(シュート部門) ドン・フライvs高山善廣(6/23 PRIDE21 さいたまスーパーアリーナ)
ベストマッチ(女子部門)  
ベスト興行 5/9 プロレスリングNOAH 後楽園大会
ベスト団体 プロレスリングNOAH
新人賞(男子)  
新人賞(女子)  
ベストブッカー/マッチメーカー/プロデューサー 三沢光晴(プロレスリングNOAH)
ベストレフェリー 西永秀一(プロレスリングNOAH)
ベストコメント(マイク、試合後コメント、雑誌インタビュー等から) 「高山はデートだから来ないって? 今は新日本プロレス観戦が最高におしゃれなデートスポットなのに、バカだねえ」 by 永田裕志
重大ニュース/アングル 小川良成GHC戴冠
今年目立った人(選手・スタッフ・解説・芸能人等全て含め) 小池栄子(イエローキャブ)
KANSENKI.NETベスト観戦記 ダイスさん 11/8大田区体育館みちのくプロレス10周年記念大会「謝謝」観戦記
KANSENKI.NETベストコラム タカハシさん 週刊タカーシ 第十七回「あの頃君は若かった」
ワーストMVP 杉浦貴(プロレスリングNOAH)
ワースト試合 三沢vs蝶野(5/5 新日本 東京ドーム)
ワースト興行 7/26 プロレスリングNOAH 代々木第二体育館
ワースト団体 プロレスリングNOAH
ワーストアングル ベルトを強奪した小川、タイトルマッチ前に三沢にベルトを返還
コメント
 絶望的なまでにプロレス/格闘技に対する興味を無くしてしまった2002年。

 本来ならばこの稿も「MVPは高沢、ベストマッチは梅宮vs權代、ベストマイクは藤井の『神輿やないねんからちょっと!』で決定!」などと、全項目を「ガチンコ(TBS)」のネタで埋めてやろうかと思ったほどにヤケクソな精神状態だった手前だが、やっぱりいくらなんでも当サイトを運営する側という立場上それはちょっとマズイだろうという懸念と、先の1/10NOAH武道館大会で観た熱戦の数々によりプロレスへの情熱が蘇りつつあることもあって、ちゃんとした正しい選定を行うことにした。

 とはいえ、手前はもはやNOAH以外の団体に殆ど興味を持てなくなってしまっているのか、若干NOAH絡みの選定が多くなってしまった(というかそればっかの)ような気もするが、その点はあらかじめご了承のほどを。

 MVPは高山で当然。ボブ・サップに関しては個人的にあまり好きではない(プロレスそのものは上手くない、NOAHのマットを踏んでない、ていうかだいたい目立ちすぎ)ので除外。

 日本一のインサイドワーカー、良成のブレイクは今年一番嬉しかったこと。偉大な師・天龍と対峙する良成、大谷の熱さを前にどこまでもCoolを貫き通す良成、外道やCIMAといった天才肌を圧倒的な技量差でもって完封してしまう意地悪な良成、直也との小川日本一決定戦に挑む良成、ガファリをスクールボーイで丸め込もうとして逆に押しつぶされる良成…まだまだ見たいカードは山ほどある。

 最優秀シューターも高山なのだが、白星を一つも挙げてないシューターを「最優秀」とすることに抵抗があったのも正直なところ。しかし、総合格闘技において「負けても絵になる人間」というのは多々あれど、「負けっぷりの良さだけでメインに上り詰めた人間」というのは他にいないんじゃないかな、と。

 殊勲賞はジュニア二冠王ということで金丸。面白すぎる顔つきのためなかなか主役にはなりづらいが、よく頑張ったと思う。あとは垂直落下式ブレーンバスター以外のフィニッシュホールドを身につけてくれれば。

 格上の泉田から白星を奪ったり、小橋の復帰後初シングルの相手に選ばれたりと、春から夏にかけてめざましい躍進を見せたモハメド。順調にいけば2003年上半期中にもGHCタッグに挑戦するくらいの位置にはいけただろうに、秋以降の負傷欠場が残念でならない。

 あれだけ面白い顔なのに、IWGP王者として立派に防衛を重ねる永田には技能賞を。いまは立場上、新日本のリングに出ずっぱりのようだが、NOAHの一員として、その魂を忘れることなく精進して欲し…え、永田は新日本のレスラーじゃないかって? おかしなことを言う人がいるなぁ。NOAHのリングでファンからブーイングではなく歓声を送られた選手というのは、たとえ所属がどこであろうとNOAHの一員です。当たり前じゃないですか。

 優秀賞最後の一席、特別賞は復帰戦における鼓膜を破壊せんばかりの大歓声を、いまもなおボルテージを下げることなく維持させ続ける小橋建太に。

 ベストタッグは「王者として防衛を重ねたこと」よりも「埋もれていた菊地を再生させたこと」を評価して選定。そして、何年かかってもいい。いつか「大森隆男を再生させたこと」を理由に、ノーフィアーをこの賞に選定する日が来ますように。

 一番難航したベストマッチ(プロレス部門)だが、やはり結果の意外性と今後に期待を抱かせたという点で良成vs秋山に。次点は三沢vs高山(9/23武道館)、秋山・彰俊vsベイダー・スコーピオ(12/1札幌)、橋vsフービー(5/9後楽園)、金丸・菊地vs獣神・井上(2/17武道館)といったところか。(シュート部門)に関しては、対抗馬すら無し。

 ベスト興行は5月の後楽園大会。フービーの優雅すぎる仕事っぷり、最後のノーフィアー、田上が「同絞めスリーパー」で小川を失神させたGHC前哨戦、たった一日の後楽園大会にここまで詰め込んじゃっていいの? と心配にすらなった。次点は4/14ディファ有明の冬木引退興行。ちなみにハロウィン興行は仕事の都合でいけませんでした。

 ブッカーとレフェリーに関しては、ときたまピカソの抽象画のごとき難解さを感じさせる三沢の筆使いと、それに黙って従う福永の忠実ぶりに敬意を表して。

 闘魂の遺伝子をもった男がNOAHと交わるとき、とてつもないインパクトのある名言を残すことが多々あるのはご周知の通り。永田の発言を目にしたとき、目から鱗が落ちるとはまさにこのことと実感した。「おねいちゃんを連れてくならやっぱりPRIDEか闘龍門だなー」などと呑気に語ってた自分が情けない! どんな巨乳が相手だろうが怯まずベッドに連れ込んで「ビッシビシいくぞ!」と星野総裁ばりに言えるような男じゃないとプロレスファンなんざ務まりっこねーっつう話ですよ!

 重大アングルは、これまでの「NOAHのプロレス文法」から著しく逸脱した、このブックに。できればその後の展開、すなわち「負けない王者・小川良成」を一年くらいかけて育てていって欲しかったが…。

 イエローキャブにおいて「オトコの存在を事務所が隠さなかった」ということは、そのタレントに野田社長から卒業証書が授与されたことと解釈していい。かとうも細川も雛形も山田も、そうやって「卒業」していった。もっとも小池自身はまだまだグラビアをやりたがってるようだが…、まぁ、もうそろそろMEGUMIと根本はるみに任せちゃってもいいだろう。

 余談。なんで新日本は乙葉をリングに上げないんだろう? というか、なんで他の団体はAV女優は使ってもグラビアアイドルは使わないのか激しく疑問。プロレス経験のある市川由衣とか、史上最強爆乳の松金洋子あたりなら、興行におけるアクセント程度に使うだけでもかなりのヲタ…いやマニアを動員できると思うんだが。

 ベスト観戦記は「文章の濡れ具合」でダイスさんのみちプロ観戦記に。そして、「週刊連載」の辛さを身をもって知っている自分なんかにしてみれば、10ヶ月あまりの間「落とす」ことなく執筆しつづけたタカハシさんの作品は、なにがあっても外すわけにはいかない。選定した作品はスタートしてから4ヶ月という、そろそろ息も切れようかという頃にこれだけクオリティの高いものが書けるのか! と唸らされたことを覚えてる。

 ワーストMVPは杉浦。NOAHの看板を背負って臨んだ他流試合で敗れてしまったことじたいは、まぁ個人的にはどうでもいい。問題なのは、せっかく外の空気を吸ってきたにも関わらず、それをリングの上で生かすどころか、逆に妙に萎縮してしまっているところ。歯がゆくてしょうがないのだ。おまえはそんなタマじゃないだろう? ――と言いたかけたところで、年頭のWEW後楽園大会で「俺が三沢だ!」と叫んだというニュースが! やっぱり杉浦はそうじゃなくちゃ!!

 ワーストマッチに選んだ三沢vs蝶野、内容じたいは嫌いじゃないが、やはり両者の持っている「量」を競い合えていたのかというと、それは否。「凡戦」と評される試合にしちゃいけなかったんだよな。あの日、あの時、あの場所での二人の立場なら。まぁ、この時の反省が、後の「三沢・蝶野vs小橋・田上」を大熱戦にさせたのだと思えば、それだけでもこの試合の意義はあったといえるのかも。

 引退セレモニーが行われた興行をワーストに選ぶというのも、引退した選手(浅子)に申し訳ないとは思うが、それにしてもよくぞここまで凡戦ばかりを重ねられたものだと逆に感心したくなるほど出来の悪い興行。一夜限りの超世代軍復活が見れた以外はなんの感慨も無し。

 ベスト団体もワースト団体も敢えて「プロレスリングNOAH」とした。ファンとして現状には満足いってないが、他に観たくなるような団体も無いので。

 試合後に無理矢理強奪したベルトを何故か後日、しかもリング上でチャンピオンに返すという不可解にも程があるシナリオに愕然。「ブッカー」のくだりでも書いたが、三沢の筆使いというものは、ときとしてプロレス者の常識を一万光年逸脱する。笑えるっちゃぁ笑えるけれども、NOAHのためにならないアングルをまともに評価するわけにはいかない。

 最後に2003年の抱負を。

 北は新日ドームから南は活き活き塾板橋大会、東はPRIDEアリーナから西は修斗北沢まで、良く言えば貪欲な、悪く言えば節操の無い観戦スタイルをとってきた手前だが、さすがにここにきて観戦欲のバブルも弾けたようだ。なので、当面の間は、自分が本来いるべき場所であるNOAHだけを追っかけることに専念したいと思う。2003年が愚傾にとって新たな章の幕開けとなるように、NOAH旗揚げ戦での秋山準のコメントを拝借して、この稿を締めてみたい。

 「愚傾を見てればNOAHがわかる!」

 つーことで、本年もよろしくお願いいたします。


 
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