観戦記ドットネットアワード2000 −愚傾−
MVP 橋本真也
準MVP1 桜庭和志
準MVP2 天龍源一郎
準MVP3 秋山準
ベストタッグ(トリオ可) クラッシュ2000
ベストマッチ 小橋健太vs秋山準(NOAH 12/23 有明コロシアム)
ベスト興行 7月31日 新日本 横浜アリーナ大会
ベスト団体 GAEAJapan
新人賞(デビュー三年以内) 丸藤正道(NOAH)
ベストブッカー/マッチメーカー/プロデューサー 高木三四郎(DDT)
ベストレフェリー 該当無し
ベストコメント(マイク、試合後コメント、雑誌インタビュー等から) 「見たか! これがミレニアム・パワーだ!」byパワー・ウォリアー(5/5福岡ドーム大会にて)
重大ニュース/アングル 全日本分裂
今年目立った人(選手・スタッフ・解説・芸能人等全て含め) 田代まさし(SRS)
KANSENKI.NETベスト観戦記 ひねリン「映画『BEYOND THE MAT』観戦記」
ワーストMVP 小川直也
ワースト試合 該当試合無し
ワースト興行 2月27日 EWF 後楽園大会
ワースト団体 埼玉プロレス
ワーストアングル 全女・JWP提携
コメント
 本文が長くなりそうなので枕は短めに。
 各賞ともに、原則的に会場で生観戦したものから選んでます。ただし「次点」のものに関してはこの限りではありません。

 ■MVP:橋本真也

 2000年という年は橋本真也と桜庭和志のデッドヒートだった。

 PRIDE-GP一回戦におけるガイ・メツガー戦でミソをつけた桜庭に対し、パートナーに飯塚を従えてナオヤ・村上のUFO組とのタッグ戦でまず飛び出した橋本。三月の「力メモ」においても「何故試合前に村上に俺を襲わせたー!」という親切極まりないマイクアピールから派生した「負けたら即引退スペシャル」でいよいよ橋本の独走態勢に入るかと思われたが、その後はハッキリしない引退騒動などで失速。PRIDE-GP決勝トーナメントにおいてホイス・グレイシーを撃破した桜庭が一挙に橋本を追い抜いた。

 その後もヘンゾ、シャノンを相次いで撃破し、メディアへの露出も増えた桜庭を「折鶴兄弟」の声援で息を吹き返した橋本が猛烈に追随。そして「復帰」「新日解雇」「ZERO-ONE設立」でついに桜庭を捉えた橋本が、そこからさらに「NOAH参戦」「猪木祭り参戦」「長州戦決定」恐ろしいまでの末足を見せ、ハイアン、カシン戦で息の切れ始めた桜庭を最後に振り切った。

 99年に誇り高き汚れ役をまっとうした男は、20世紀の最後の最後でようやくその苦労が報われたのだ。

 なお、MVPの賞品として橋本選手には「叙々苑焼肉一ヶ月食べ放題券」が贈呈されます(嘘)。


 ■準MVP:桜庭、天龍、秋山

 というわけで、この賞は「MVP争奪レース」の最終着順みたいなものだと思ってください。

 まずは惜しくも二位となった桜庭だけど、単純に残した実績だけなら橋本よりも上にいってると思う。しかし、レスラーとしての「格」が前年比でどれだけ上がったかという話になると、それはもう圧倒的に橋本の勝ちだ。すすった泥水の量の違いで、桜庭はいま一歩橋本に及ばなかった。

 三位は天龍。新年をIWGP王者として迎えた男が三冠王者として年を越すというのはとんでもない快挙。
 齢五十にしてハヤブサのマスクを被ったり、かつては「後ろ足で砂かけて出ていった奴」とまで言われた団体に十年ぶりに復帰したりと、ミスター・プロレスとして常に最前線に立つ頑固親父に、今まで悪く言って、ごめんね。ごめんね。ごめんね。

 四位の秋山は二月に三沢から初のピンフォール勝ち、NOAHに移ってからも残忍かつテクニカルなファイトと好き勝手な言動で新団体を牽引した功績は2000年の台風の目だった。21世紀もNOAHをよろしく頼んます。


 ■ベストタッグ:クラッシュ2000

 もはや再結成しただけで反則。
 確かにM2Kは急成長した。G−EGGSも頑張った。ラスカチョがいなかったら全女はどうなっていたことか。でも、でも、でもだ。今年はやっぱりクラッシュ2000だ。
 だって組んだ時点でもう反則なんだもん。

 ところで、現在はリアルライフでも仲直りをしてるんでしょうか?>チコさんトモさん


 ■ベストマッチ:小橋vs秋山(12/23NOAH有明)

 確かにNOAHはマッチメークが下手糞だ。ブックだって古臭い。せっかくディファ有明という素晴らしいハコを常打ちとしてるくせに、その素晴らしさをリング外の演出の部分でまったく生かしきれてもいない。そのくせモットーは「自由」で「今風」ときたもんだ。これじゃぁファンが他団体のファンから「ノアヲタ」と呼ばれ、忌み嫌われてしまうのも無理はない。
 しかし、それでも手前がNOAHを愛してやまないのは、まぁ色んな理由があるんだけれども、結局のところ「こういう試合が見れるから」に尽きる。
 せっかくプロレスファンであるならば、せめて自分の中に「至上のプロレス」というのを持っていたい。
 手前にとっては「小橋vs秋山」がそれだ。

 なお、次点には尾崎魔弓vsKAORU(5/25GAEA有明)、DキッドvsSUWA(8/24闘龍門後楽園)、川田vs健介(10/11新日本東京ドーム)、天龍vs川田(10/29全日本武道館)を推したい。


 ■ベスト興行:7/31 新日本 横浜アリーナ

 残念ながらこの一年間は「爆発」した興行には最後まで巡り合えなかったんだけど、そんな中で印象に残った興行を挙げるとしたら、時間順に1.新日本@7/31横アリ、2.NOAH@8/5ディファ、3.コンテンダーズ4@11/25ディファ、4.闘龍門@12/21後楽園となる。
 で、この中から一つ選ぶなら「1」の新日本横アリ、つまり「長州vs大仁田」としたい。

 事前にどれだけ気分が高揚したか、という点で言えばダントツに「2」のNOAH旗揚げになる。しかし、特筆すべき試合がメインだけだったのが痛い。まぁそれを言ったら「1」の横アリ大会だって同じなんだけど、実質ワンマッチ興行として演出も控えめに前座の試合を淡々とこなし、溜まったエネルギーをメインでMAXに盛り上げたこの興行は「プロレス興行かくあるべし」という趣が有って、それが選考の決め手となった。


 ■ベスト団体:GAEAJapan

 試合レベルの高さ、選手の充実度、観客の盛り上がり、団体の躍進度、そして練りに練られたスクリプト。今年はやっぱりGAEAの一人勝ちですな。
 CEOの「ブン殴り癖」さえなければ「オールシュート路線という昨年後半からの新機軸を一年間徹底させた」リングスでも良かったんだが……。


 ■新人賞:丸藤正道(NOAH)

 この賞は迷った。いや、「誰にするか?」じゃなくて「どこまでを『新人』とするか?」という点で。
 まぁいろいろあって「デビューから三年未満」ということに落ち着いたわけだけど、「闘龍門のCIMAやパンクラスの菊田早苗みたいに立派にメイン張ってる選手も『新人』とするのか?」という葛藤もあって、実はこれを書いてる今現在もまだ迷ってたりする。

 まぁいつまでも迷ってられないので、一人だけ選ぶならNOAHの丸藤。自団体のみならず、FMW、AAA、みちのく、IWAJapanと数多くの団体から「是非に!」とオファーのかかる「過剰なセンス」の持ち主に、今後の期待感も込めて。

 次点はFMWのマンモス佐々木。ごつい見てくれからは想像しにくいが、この人も「過剰なセンス」の持ち主だと思う。

 あと、2000年デビュー、という点で言えばNOAHの小林健太。丸藤と併せて、NOAHは今後十年は「次代のエース」の心配をしなくて良い(NOAHという団体が十年持つのか? という不安はあるが)。


 ■ベストブッカー/マッチメーカー/プロデューサー:高木三四郎

 企画力、行動力、新しいアイデアを練る頭脳、どれを取っても文句無し!(足りないのは金だけ)


 ■ベストレフェリー:該当者無し

 今年、特に目立った人というのが思い浮かばないので該当者無し。
 上手い人は例年通り上手いし、ショボい人はショボい。


 ■ベストコメント:「見たか! これがミレニアム・パワーだ!」byパワー・ウォリアー(5/5福岡ドーム大会にて)

 健介を楽しめない輩というのは、良く言えばストイック、悪く言えばファンとしての余裕が無いんだと思う。
 十年後、二十年後にプロレスファンとテーブルを囲んだ時、その言動の不可解さを肴に酒の飲めるレスラーといえば手前の中では猪木と健介が双璧です。

 次点は「シングルとジュニアヘビーは違う!」という、もはや比べる対象そのものが違い過ぎて凡人にはとても思い付かないであろう超絶理論を推したい。で、これもまた健介のコメントだったりする。

 あと、ライオネス飛鳥の頭に噛み付くデビル雅美に対して「頭は噛むところじゃないの!」と、マット界きっての弁士、馳浩をもってしても反論不可能な正論中の正論を放送席からぶちかました有坂来瞳にも、個人的に特別賞を贈呈したい。


 ■重大ニュース:全日本分裂

 これが無ければNOAHの旗揚げも川田vs健介も天龍三冠返り咲きも橋本vs大森も無かった。
 そして何より「掛布雅之にプロレスを語らせる」という恐ろしいことを実行したTV番組”コロッセオ”が開始するきっかけとなったことが大きかった。


 ■今年目立った人:田代まさし

 いつまでたっても「元シャネルズ」と言われたり「志村けんの弟子」のイメージが拭い切れなかったり、挙句の果てには「ニセ宇崎竜童」という有り難くなさすぎるニックネーム(まぁ呼んでるのは手前だけだが)をつけられてたりとこれまでさんざんな芸能生活を送っていたマーシーが、ついに今年オーバーした。
 が、そのオーバーの仕方は、残念ながらまだ我が国では「快挙」と呼ばれる類のものではなかった。


 ■ベスト観戦記:ひねリン「映画『BEYOND THE MAT』観戦記」

 これ、一番迷ったなぁ。いや、投稿してくれた皆さんに気を遣ってるわけじゃなくて、本当に本当で。

 まぁこの賞に関しては苦渋の選択であって、手前はKANSENKI.NETに掲載された観戦記はすべて大好きです。愛してます、といったら流石に過言だけど、全部が全部「面白い」と胸を張って言えます。

 21世紀も良質な観戦記を掲載していくよう、主宰の品川ともども、頑張る所存でありますので乞うご期待。
 そして、いつも素晴らしい観戦記を送ってくれて、本当にありがとうございます。今後ともよろしゅうっす>「書き手」の皆さん。

 ついでに自薦の観戦記は「コンテンダーズ4@11/25ディファ有明」。これについては後から読み直しても「この部分を直してぇ!」と思う箇所が極めて少なく、また書き上げたときも「よっしゃ!」と思える出来だったので、今となっては非常に好きな「作品」です。


 ■ワーストMVP:小川直也

 対戦相手の光を消すことにかけては当代一の名手だけど、そうすることでしか自分が輝けないという点で、そろそろスタイルが曲がり角に来てるように感じる。


 ■ワースト試合:該当試合無し

 わざわざ「ワースト」と銘打つからには、それなりに注目度の高い試合を選びたいとこなんだけど、これは手前の性格なのかなんなのか、注目度が高い試合というのはそれに比例して「観客のエネルギー」というもの高いわけで、そうなってくると必然的に「歓声のボルテージ」も高くなってきて、そうすると手前はそれだけで満足してしまうきらいがあるので、なかなか「ワースト」を選べない。
 まぁTVやビデオで見た限りでは「ひでぇ試合」というのもあったわけだけど、会場で見てたらまた違う感想を持ったんだろうな、とも思うのでやはりこの賞は該当無し、ということで。


 ■ワースト興行:2月27日 EWF 後楽園大会

 2000年どころか、我が生涯でも指折りのワースト興行。

 入江とヴァーゴンが欠場した上に(まぁヴァーゴンの欠場理由は笑えたが)、森谷さんから何度もダウンを奪ったタノムサクが何故か負けという不可解な判定、しかもそれをアナウンスしたのがサンボ浅子という不愉快極まりない「誇り2000GP」に加え、ただいたずらに時間だけを消費する展開を一時間も見せ付けてくれたメインの時間差バトルロイヤル。はっきり言って酷すぎた。インディーファンの心の広さを逆手に取り、さらに踏みにじるような興行だった。
 この興行の後、手前は半年間あまりインディーの興行に足を運ぶ気にならなかった。


 ■ワースト団体:埼玉プロレス

 とりあえず、今年観た興行はどれも少なからず楽しませて貰いましたよ。EWFを除いて。
 しかしEWFは「団体」というわけではないので、ここはアンケート用紙で『良かった選手』よりも『ダメだった選手』の回答欄を先に持ってくる埼玉プロレスのフロンティアスピリッツに敬意を表し、敢えて「ワースト団体」としたい。


 ■ワーストアングル:全女・JWP提携

「他に手段が無いもの同士が手を取り合った」というだけで貧相なイメージが漂うのに、結局何一つとして新しいものも生み出せずに立ち消え。華やかだった「対抗戦時代」をリードしていた両団体に漂った「場末なイメージ」が、今年前半の現在の女子プロシーンを見事に表してた。

20世紀最高の選手ベスト1 力道山
20世紀最高の選手ベスト2 ジャイアント馬場
20世紀最高の選手ベスト3 アントニオ猪木
20世紀最高の試合ベスト1 川田、田上vs三沢、小橋(93年6月 日本武道館)
20世紀最高の試合ベスト2 ホイス・グレイシーvsケン・シャムロック(93年11月 コロラド州デンバー)
20世紀最高の試合ベスト3 ジャイアント馬場vsアントニオ猪木(両者が出会ってから両者が死ぬまで現在も続行中)
 
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